他の相続人が非協力的ならどうする?遺産分割を前に進める3つの方法

「遺産の分け方を話し合いたいのに、兄が電話に出てくれない」「遺産分割協議書を送ったのに、妹が署名・押印してくれない」「そもそも弟がどこに住んでいるか分からない…」
[cite_start]横須賀エリアにお住まいの方からも、このような非協力的な相続人に関するお悩みは頻繁に寄せられます。 遺産分割協議は、相続人「全員」の合意がなければ成立しません。 [cite: 94] [cite_start]たった一人でも非協力的な方がいると、預貯金の解約も不動産の名義変更もできず、手続きが完全に止まってしまいます。 [cite: 94] しかし、打つ手がないわけではありません。
この記事では、非協力的な相続人がいる場合に、遺産分割を前に進めるための具体的な3つの方法について、 税理士・司法書士有資格の弁護士が分かりやすく解説します。
なぜ?相続人が非協力的なよくある理由
相手の状況を理解することが、解決の第一歩になることもあります。相続人が非協力的な背景には、様々な理由が考えられます。
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- 感情的な対立がある: 生前の親との関係や、他の兄弟姉妹への不満・不信感から、話し合いに素直に応じられない。 [cite: 97] [cite_start]
- 相続に無関心・面倒くさい: 財産額が少ない、遠方に住んでいるなどの理由で、手続き自体を面倒だと感じている。 [cite: 98] [cite_start]
- 現状維持で満足している: 亡くなった親の家に無償で住み続けているなど、遺産分割をすることで現状が変わることを望んでいない。 [cite: 99] [cite_start]
- 認知症などで判断能力がない: 協力したくても、法的な判断ができない状態にある。 [cite: 100] [cite_start]この場合は家庭裁判所で成年後見人を選任する手続きが必要になることがあります。 [cite: 100] [cite_start]
- 単純に忙しい、手続きを理解していない: 仕事や介護で忙しく、後回しになっている。 [cite: 101] [cite_start]または、手続きの重要性を理解していない。 [cite: 101]
遺産分割を前に進めるための具体的な3つの方法
[cite_start]どのような理由であれ、膠着状態を打開するためには、こちらから行動を起こす必要があります。有効な方法は以下の3つです。 [cite: 103]
方法① 書面で、協議を申し入れる
[cite_start]電話やメールを無視される場合、まず試すべきは「書面」の送付です。 [cite: 105] [cite_start]これ自体に法的な強制力はありませんが、「正式な通知」として相手に心理的なプレッシャーを与え、こちらが本気であることを示す効果があります。 [cite: 105] [cite_start]
場合によっては内容証明郵便で協議を申し入れてもよいでしょう。 [cite: 106] [cite_start]内容証明郵便は、「いつ、誰が、誰に、どのような内容の文書を送ったか」を郵便局が証明してくれるサービスです。 [cite: 106] [cite_start]「遺産分割協議に応じてもらいたい旨」「返答がない場合は、やむを得ず家庭裁判所での法的手続き(調停)に移行する予定である旨」を記載して送付することで、無視を続けていた相手が、慌てて連絡してくるケースは少なくありません。 [cite: 106] [cite_start]弁護士名義で送付すると、その効果はさらに高まります。 [cite: 106]
方法② 弁護士に交渉を依頼する
[cite_start]当事者同士では感情的になってしまう場合でも、第三者である専門家が間に入ることで、冷静な話し合いが可能になります。 [cite: 108] [cite_start]弁護士が代理人として連絡することで、相手方も「専門家が出てきた以上、きちんと対応しなければ」と考え、交渉のテーブルにつきやすくなります。 [cite: 108] [cite_start]また、相手の主張が法的に妥当なものか、こちらの希望をどのように伝えれば受け入れられやすいかなど、専門的な観点から交渉を進めることで、円満かつ有利な解決が期待できます。 [cite: 108]
方法③ 遺産分割調停を申し立てる
[cite_start]あらゆる働きかけをしても相手が応じない場合の、最終的な手段として「遺産分割調停」の申立てが考えられます。 [cite: 110] [cite_start]家庭裁判所に調停を申し立てると、裁判所から相続人全員に正式な「呼出状」が送付されます。 [cite: 110] [cite_start]これにより、 相手が話し合いの場に参加する可能性が高くなります。 [cite: 110] [cite_start]調停では、中立な調停委員が間に入って話し合いを進めるため、相手と直接顔を合わせる必要もありません。 [cite: 110] [cite_start]調停で合意できれば、その内容は判決と同じ効力を持つ「調停調書」に記載されます。 [cite: 110] [cite_start]もし調停でも話がまとまらなければ、自動的に「審判」という手続きに移行し、最終的には裁判官が遺産の分割方法を決定してくれるため、決着をつけることができます。 [cite: 110]
行動を起こす前の大前提:相続人と財産の確定
[cite_start]これらの方法を試す前に、必ず確認しておかなければならないことがあります。 [cite: 113] [cite_start]それは「誰が相続人なのか」「どんな遺産があるのか」の全体像を正確に把握することです。 [cite: 113]
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- 遺言書の有無の確認
遺言書があれば、原則としてその内容が最優先されます。 [cite: 114] [cite_start]まずは遺言書がないか、徹底的に探しましょう。 [cite: 114]
>>家から遺言書が見つかった方はこちら
[cite_start] - 相続人と財産の調査
誰が法的な相続人なのかを確定させるための「戸籍謄本の収集」や、預貯金・不動産・借金などをすべて洗い出す「財産調査」は、遺産分割のスタートラインです。 [cite: 115] [cite_start]この調査が不十分なままでは、交渉も調停も進めることはできません。 [cite: 115]
>>遺産の内容を調査して欲しい方はこちら
非協力的な相続人への対応は、専門家である弁護士にお任せください
[cite_start]当事務所は、皆様の複雑な相続問題を解決するために、他にはない強みを持っています。 [cite: 117]
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- 1972年創立、所属弁護士数約100名の実績と経験
1972年の創立以来、半世紀にわたり数多くの相続案件を手掛けてまいりました。 [cite: 118] [cite_start]約100名の弁護士が所属しており、それぞれの事案で蓄積された豊富な判例知識と実務経験を基に、最適な解決策をご提案します。 [cite: 118]
[cite_start] - 税理士・司法書士有資格の弁護士が対応
相続問題、特に不動産や多額の財産が関わるケースでは、税務の視点が欠かせません。 [cite: 119] [cite_start]当事務所横須賀支店には、税理士・司法書士有資格の弁護士が在籍しています。 [cite: 119] [cite_start]法務と税務、登記の全方面から多角的なアドバイスをして最善の解決を目指します。 [cite: 119]
[cite_start] - グループ内で連携したワンストップサービス
当事務所は、司法書士、税理士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、不動産仲介業者がグループ内に存在するため、各専門家と緊密に連携し、あらゆる手続きをワンストップでサポートすることが可能です。 [cite: 120]
相続にお困りの方は虎ノ門法律経済事務所にご相談ください。 [cite: 121]
>>無料相談の流れはこちら

広島大学(夜間主)で、昼に仕事をして学費と生活費を稼ぎつつ、大学在学中に司法書士試験に合格。相続事件では、弁護士・税理士・司法書士の各専門分野における知識に基づいて、多角的な視点から依頼者の最善となるような解決を目指すことを信念としています。
広島大学法科大学院卒業
平成21年 司法書士試験合格
令和3年4月 横須賀支部後見等対策委員会委員
令和5年2月 葉山町固定資産評価審査委員会委員
令和6年10月 三浦市情報公開審査会委員
令和6年10月 三浦市個人情報保護審査会委員
令和7年1月 神奈川県弁護士会横須賀支部役員幹事
令和7年3月 神奈川県弁護士会常議員