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「長男に家を相続させる」遺言は不公平?特別受益の主張ができる?

「長男に家を…」その遺言、特別受益で取り戻せるかもしれません

「親が亡くなり遺言書を開いてみたら、『長男に実家を相続させる』とだけ書かれていた…」
「残りの預金や株式は法定相続分の2分の1で分けるのか、それとも多くもらえるのか?」

このような状況に直面し、途方に暮れていませんか?

この記事でわかること

  • 「不動産を相続させる」という内容の遺言(特定財産承継遺言)があった場合でも、遺言で指定されていない財産について多めに受け取れる可能性があります
  • 法律には、このような不公平を是正するための「特別受益」という制度があります

この記事では、遺言で財産をもらえなかった相続人が、残された財産から正当な取り分を主張する方法を、司法書士・税理士資格を持つ相続に強い弁護士が分かりやすく解説します。

まずは知っておきたい「〇〇に相続させる」遺言の強力な効力

特定財産承継遺言とは?

特定の財産を、特定の相続人に「相続させる」と書き記した遺言のことです。例えば「長男に実家の土地建物を相続させる」といった内容の遺言がこれにあたります。

遺産分割不要の強力な効力

この遺言があると、遺言に書かれた財産(例:自宅不動産)は、遺産分割協議を経ることなく、自動的に書かれた相続人のものになります。そのため、原則として他の相続人は、その財産について「自分にも分けるように」とは言えません。

>>遺言が見つかったら

【本題】残りの財産から多くもらえる「特別受益の持戻し」とは?

遺言による財産の取得は「特別受益」

実務では、特定財産承継遺言により相続人に帰属する遺産を特別受益と解釈しています(第4版 家庭裁判所における遺産分割・遺留分の実務536頁)。これは「生前贈与」などと同じように、相続財産の前渡しを受けたものに近いと考えるためです。

特定財産承継遺言が遺贈と同じく相続開始と同時に物権的に権利が移転する効力を有し、遺産分割手続きの対象財産から逸出することに着目すると、特定遺産は遺贈財産と同様に扱われ、持戻し計算の対象となります。

不公平を是正する「持戻し計算」

他の相続人は、この「特別受益」を考慮して、残った財産の分け方を決めるよう主張できます。これを「特別受益の持戻し計算」といいます。

【具体例で簡単解説】持戻し計算の仕組み

前提

  • 相続人:長男、次男の2人
  • 遺産総額:不動産(3000万円)+ 預貯金(1000万円)= 4000万円
  • 遺言内容:「長男に不動産(3000万円)を相続させる」

1. みなし相続財産を計算 遺言で長男が得た不動産3000万円を、残りの預貯金1000万円に足し戻します。
3000万円(特別受益) + 1000万円 = 4000万円

2. 法定相続分を計算 みなし相続財産を基に、本来の取り分を計算します。
長男・次男ともに 4000万円 × 1/2 = 2000万円

3. 具体的相続分を計算
本来の取り分から、すでに前渡しされた分(特別受益)を差し引きます。
長男:2000万円 – 3000万円 = -1000万円 (1000万円の貰いすぎ)
次男:2000万円 – 0円 = 2000万円

結論:
この計算により、次男は残った預貯金1000万円の全額を取得する権利を主張できます。このように、遺言があっても次男の取り分が確保され、不公平が是正されます。

ただし、次男の具体的相続分は2000万円ですので、これでも1000万円不足する結果となります。長男は法律上、もらい過ぎた分を返還する義務はありません。もし、この結果、次男の最低限の取り分である『遺留分』が侵害されている場合には、次男は長男に対して別途『遺留分侵害額請求』を行うことで、不足分の一部または全部を取り戻せる可能性があります。

>>特別受益とは

重要な注意点について

遺言の内容による制限

遺言で全ての財産について分け方が指定されている場合は、特別受益の主張をしても取り分が増えることはありません。

上記で説明した特別受益の持戻し計算は、遺言で指定されていない財産があったり、遺言から漏れた財産があった場合の事例です。

これは、遺言が全財産の分け方を具体的に指定している場合、それが被相続人の最終意思として最大限尊重され、そもそも遺産分割協議の対象となる『遺言で指定されていない残りの財産』が存在しないためです。

遺留分侵害がある場合の対処法

特別受益の持戻し計算によっても十分な取り分が確保できない場合や、遺言で全財産が指定されている場合でも、最低限保障された相続分(遺留分)が侵害されているときは、別途「遺留分侵害額請求」を行うことができます。

>>遺留分の侵害があったら

実務上の複雑さ

実際の相続では、遺言の解釈、不動産の評価、生前贈与の有無、寄与分の主張など、複数の論点が絡み合って非常に複雑になることが少なくありません。また、他の相続人との感情的な対立も生じやすく、法的知識なしに適切に対処することは困難です。

不公平な遺言でお悩みなら、虎ノ門法律経済事務所にご相談ください

特定財産承継遺言があったとしても、すぐに諦める必要はありません。特別受益の持戻し計算を主張することで、あなたの正当な権利を守れる可能性があります。

しかし、具体的な計算や他の相続人との交渉は、専門的な知識がないと非常に困難です。また、遺言の解釈や寄与分、遺留分侵害額請求など、他の論点も絡み複雑化することが少なくありません。

虎ノ門法律経済事務所では、相続問題を専門とする弁護士が、豊富な経験と実績をもとに、あなたの状況を丁寧に分析いたします。特別受益の計算から遺留分侵害額請求まで、あらゆる法的手段を駆使して、お客様の正当な権利の実現をサポートします。

虎ノ門法律経済事務所が選ばれる理由

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横須賀・三浦半島エリアで相続にお悩みの方は、一人で抱え込まず、まずは虎ノ門法律経済事務所にお気軽にお問い合わせください。あなたの大切な権利を守るため、最善の解決策をご提案いたします。

この記事の執筆者
弁護士法人TLEO 虎ノ門法律経済事務所横須賀支店 横須賀支店長・パートナー弁護士 中村 賢史郎
保有資格弁護士、税理士、司法書士有資格
専門分野相続事件・離婚事件・不動産事件・破産事件を主に取り扱う
広島大学(夜間主)で、昼に仕事をして学費と生活費を稼ぎつつ、大学在学中に司法書士試験に合格。相続事件では、弁護士・税理士・司法書士の各専門分野における知識に基づいて、多角的な視点から依頼者の最善となるような解決を目指すことを信念としている。
経歴広島大学法学部夜間主卒業
広島大学法科大学院卒業
平成21年 司法書士試験合格
令和3年4月 横須賀支部後見等対策委員会委員
令和5年2月 葉山町固定資産評価審査委員会委員
令和6年10月 三浦市情報公開審査会委員
令和6年10月 三浦市個人情報保護審査会委員
令和7年1月 神奈川県弁護士会横須賀支部役員幹事
令和7年3月 神奈川県弁護士会常議員
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