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遺言で「遺留分を主張するな」と書いてあった場合の効力

故人が遺した遺言書を開いてみると、「他の相続人は遺留分を主張しないように」といった一文が書かれていることがあります。故人の最後の言葉だと思うと、この言葉に従うべきなのか、それとも自分の権利を主張してもよいのか、深く悩まれる方も少なくありません。

このような遺言の記載に法的な効力はあるのでしょうか。また、もし権利を主張するとしたら、どのように進めればよいのでしょうか。この記事では、遺言書と遺留分の関係について、税理士・司法書士有資格の弁護士が分かりやすく解説します。

結論:遺言で遺留分の主張を禁止する記載は法的に意味を持ちません

まず最も重要な結論から申し上げます。遺言書に「遺留分を主張するな」あるいは「遺留分を放棄する」といった内容が書かれていても、その記載に法的な拘束力はありません。

遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人に保障された、最低限の遺産取得分のことです。これは、民法によって定められた相続人の権利、つまり、当事者の意思によって変更することができない強い権利です。

したがって、遺言者(亡くなった方)が一方的に遺言書でこの権利を奪うことはできません。たとえ遺言書にそのような記載があったとしても、あなたはご自身の遺留分を請求する権利を失うことはありません。

なぜ、このような一文が遺言に書かれるのか?

法的に無効であるにもかかわらず、なぜこのような一文が書かれるのでしょうか。主な理由としては、以下の3つが考えられます。

  • 故人の強い希望の表れ:「事業を継ぐ長男に全財産を集中させたい」など、特定の相続人に財産を多く遺したいという強い意思があり、他の相続人との間で争いが起きないようにと願って記載するケースです。
  • 感情的なメッセージ:法的な効果を期待するというよりは、「どうか私の最後の願いを聞き届けてほしい」という、相続人への感情的なメッセージとして記載するケースです。
  • 遺留分制度への誤解:遺言を書けば、財産の分け方を自由に決められると誤解しており、遺留分という権利の仕組みを知らないか、その効力を軽視しているケースです。

要注意:「生前に遺留分を放棄する」と約束していた場合

「遺言書だけでなく、生前に親から『遺留分は主張しない』と念書を書かされた」「口頭で約束してしまった」というご相談もよくあります。しかし、ご安心ください。これも原則として無効です。

被相続人が亡くなる前(生前)に相続人が遺留分を放棄するには、家庭裁判所の許可を得なければなりません。これは、被相続人がその優位な立場を利用して、相続人に不当な圧力をかけて遺留分を放棄させることを防ぐためです。

したがって、家庭裁判所の許可を得ていない単なる口約束や念書に法的な効力はなく、相続開始後に遺留分を主張することは全く問題ありません。

遺留分を請求するかどうかの判断

法的には問題なく遺留分を請求できるとしても、実際に請求するかどうかは、ご自身の判断に委ねられます。

故人の遺志や、他の相続人との今後の関係性を考えると、請求をためらうお気持ちは当然あるでしょう。しかし、遺留分はあなたの正当な権利であり、これを主張しなければ、本来得られるはずだった財産を失い、経済的に大きな不利益を被る可能性もあります。

感情的な対立を避け、冷静に判断するためにも、まずは一度弁護士にご相談ください。法的な権利の内容や請求した場合の見通し、手続きの流れなどを具体的にご説明し、あなたが最善の選択をするためのお手伝いをいたします。

当事務所は、皆様の複雑な相続問題を解決するために、他にはない強みを持っています。

  • ①1972年創立、所属弁護士数約100名の実績と経験
    1972年の創立以来、半世紀にわたり数多くの相続案件を手掛けてまいりました。約100名の弁護士が所属しており、それぞれの事案で蓄積された豊富な判例知識と実務経験を基に、最適な解決策をご提案します。
  • ②税理士・司法書士有資格の弁護士が対応
    相続問題、特に不動産や多額の財産が関わるケースでは、税務の視点が欠かせません。当事務所横須賀支店には、税理士・司法書士有資格の弁護士が在籍しています。法務と税務、登記の全方面から多角的なアドバイスをして最善の解決を目指します。
  • ③グループ内で連携したワンストップサービス
    当事務所は、司法書士、税理士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、不動産仲介業者がグループ内に存在するため、各専門家と緊密に連携し、あらゆる手続きをワンストップでサポートすることが可能です。

相続にお困りの方は虎ノ門法律経済事務所にご相談ください。

遺言書に書かれた「遺留分を主張するな」という一文は、法的には無効であり、あなたの権利を妨げるものではありません。しかし、親族間の感情的な問題が絡むため、お一人で悩みを抱え込まず、専門家である弁護士に相談することが、円満かつ適切な解決への第一歩となります。私たちはあなたの正当な権利を守るため、全力でサポートいたします。

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本記事は、令和7年9月10日時点の法令等に基づき作成しております。法改正などにより、最新の情報と異なる場合がございます。具体的な事案については必ず弁護士にご相談ください。

この記事の執筆者
弁護士法人TLEO 虎ノ門法律経済事務所横須賀支店 横須賀支店長・パートナー弁護士・税理士 中村 賢史郎
保有資格弁護士、税理士、司法書士有資格
専門分野相続事件・離婚事件・不動産事件・破産事件を主に取り扱う
広島大学(夜間主)で、昼に仕事をして学費と生活費を稼ぎつつ、大学在学中に司法書士試験に合格。相続事件では、弁護士・税理士・司法書士の各専門分野における知識に基づいて、多角的な視点から依頼者の最善となるような解決を目指すことを信念としています。
経歴広島大学法学部夜間主卒業
広島大学法科大学院卒業
平成21年 司法書士試験合格
令和3年4月 横須賀支部後見等対策委員会委員
令和5年2月 葉山町固定資産評価審査委員会委員
令和6年10月 三浦市情報公開審査会委員
令和6年10月 三浦市個人情報保護審査会委員
令和7年1月 神奈川県弁護士会横須賀支部役員幹事
令和7年3月 神奈川県弁護士会常議員