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遺留分を現金で払えない場合の対処法|不動産での代物弁済

遺言や生前贈与によって財産のほとんどを受け取ったものの、他の相続人から遺留分侵害額請求をされ、高額な金銭の支払いを求められるケースがあります。2019年の民法改正により、遺留分は金銭で支払うのが原則となりました。しかし、相続財産が不動産ばかりで、支払うための現金が手元にない場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

この記事では、遺留分侵害額を現金で支払えない場合の有効な解決策の一つである「代物弁済(だいぶつべんさい)」、特に不動産を用いた方法について、その注意点や手続きの流れを、税理士・司法書士有資格の弁護士が分かりやすく解説します。

原則は金銭での一括払い

まず大前提として、遺留分侵害額請求をされた側(受遺者や受贈者)は、請求された金額を現金で一括で支払うのが原則です。請求を受けたからといって、相続した不動産の一部を勝手に相手に渡して解決、ということはできません。支払いが遅れれば、遅延損害金が発生するリスクもあります。

しかし、どうしても現金での支払いが難しい場合、双方の合意があれば、現金以外の資産で支払うことが可能です。これが「代物弁済」という方法です。

解決策としての「不動産による代物弁済」とは?

代物弁済とは、本来支払うべき金銭の代わりに、不動産や株式などの「物」で支払いを行うことを指します。遺留分のケースでは、請求された金銭の代わりに、相続した不動産そのものや、その一部(持分)を相手に譲渡することで解決を図る方法です。

不動産による代物弁済の注意点

この方法は有効な手段ですが、実行するにはいくつかの重要な注意点があります。

  • 双方の合意が必須:代物弁済は、必ず遺留分を請求した側(権利者)と、請求された側(義務者)の双方の合意が必要です。相手が不動産での支払いを拒否すれば、この方法は使えません。
  • 不動産の評価額:最も重要なのが、代物弁済に充てる不動産の評価額です。「いくらの価値の不動産をもって、いくらの支払いに代えるのか」を明確にしなければなりません。評価額で揉めると話が進まないため、路線価や固定資産税評価額を参考にしたり、不動産業者に複数査定をとったりするのが一般的です。

不動産の評価額について折り合いがつかない

  • 譲渡所得税の発生:不動産を代物弁済すると、渡す側に譲渡所得税が課税される可能性があります。これは、不動産を取得した時(被相続人が購入した時)の価格よりも、代物弁済時の評価額の方が高い場合に、その差額が利益とみなされるためです。
  • 登記手続きが必要:不動産の所有権(または持分)を相手に移転するため、所有権移転登記の手続きが必要です。これには司法書士への依頼費用や登録免許税といった実費がかかります。

現金が用意できない場合のその他の対処法

不動産による代物弁済が難しい場合、以下のような方法も検討されます。

1. 分割払いの交渉

まず考えるべきは、相手方との交渉です。一括での支払いが難しい事情を丁寧に説明し、分割での支払いを認めてもらうよう交渉します。相手が合意すれば、合意書を作成し、その内容に従って支払うことになります。ただし、相手が応じる義務はないため、交渉が難航することも少なくありません。

2. 不動産を売却して現金化

相続した不動産の一部、あるいは全部を売却し、その売却代金から遺留分を支払う方法です。これが最もシンプルで紛争になりにくい解決策の一つです。ただし、買い手を見つけるまでに時間がかかる、希望の価格で売れるとは限らない、といったデメリットもあります。

3. 裁判所に支払期限の猶予を求める(期限許与の請求)

交渉がまとまらない場合、最終的には調停や訴訟に発展します。その際、遺留分を支払う側は、裁判所に対して支払期限の猶予(期限の許与)を申し立てることができます(民法1047条5項)。裁判所が、資力やその他の事情を考慮して、相当と認めれば、一定期間の支払猶予が認められる可能性があります。

当事務所は、皆様の複雑な相続問題を解決するために、他にはない強みを持っています。

  • ①1972年創立、所属弁護士数約100名の実績と経験
    1972年の創立以来、半世紀にわたり数多くの相続案件を手掛けてまいりました。約100名の弁護士が所属しており、それぞれの事案で蓄積された豊富な判例知識と実務経験を基に、最適な解決策をご提案します。
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    当事務所は、司法書士、税理士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、不動産仲介業者がグループ内に存在するため、各専門家と緊密に連携し、あらゆる手続きをワンストップでサポートすることが可能です。

相続にお困りの方は虎ノ門法律経済事務所にご相談ください。

遺留分侵害額を請求されたものの、現金での支払いが困難な場合、感情的な対立に発展する前に、早期に専門家へ相談することが極めて重要です。特に不動産での代物弁済は、評価額の算定、税金の問題、登記手続きなど、法務・税務・不動産の専門知識が不可欠です。当事務所にご相談いただければ、あなたの状況を的確に分析し、相手方との交渉から各種手続きまで、円満な解決に向けてワンストップでサポートいたします。

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本記事は、令和7年9月10日時点の法令等に基づき作成しております。法改正などにより、最新の情報と異なる場合がございます。具体的な事案については必ず弁護士にご相談ください。

この記事の執筆者
弁護士法人TLEO 虎ノ門法律経済事務所横須賀支店 横須賀支店長・パートナー弁護士・税理士 中村 賢史郎
保有資格弁護士、税理士、司法書士有資格
専門分野相続事件・離婚事件・不動産事件・破産事件を主に取り扱う
広島大学(夜間主)で、昼に仕事をして学費と生活費を稼ぎつつ、大学在学中に司法書士試験に合格。相続事件では、弁護士・税理士・司法書士の各専門分野における知識に基づいて、多角的な視点から依頼者の最善となるような解決を目指すことを信念としています。
経歴広島大学法学部夜間主卒業
広島大学法科大学院卒業
平成21年 司法書士試験合格
令和3年4月 横須賀支部後見等対策委員会委員
令和5年2月 葉山町固定資産評価審査委員会委員
令和6年10月 三浦市情報公開審査会委員
令和6年10月 三浦市個人情報保護審査会委員
令和7年1月 神奈川県弁護士会横須賀支部役員幹事
令和7年3月 神奈川県弁護士会常議員