【初心者向け】相続でよく使われる法律用語を弁護士が優しく解説

ご家族が亡くなり、初めて相続問題に直面したとき、「被相続人」「法定相続分」「遺留分」など、聞き慣れない法律用語の多さに戸惑ってしまう方は少なくありません。これらの用語の意味を正しく理解することが、ご自身の権利を把握し、円満な相続を実現するための第一歩です。
この記事では、相続の話し合いや手続きで頻繁に使われる基本的な法律用語を、カテゴリーに分けて、できるだけ分かりやすく解説します。相続の全体像を理解するための入門ガイドとして、ご活用ください。この記事の解説は、税理士・司法書士有資格の弁護士が分かりやすく解説します。
登場人物に関する用語
被相続人(ひそうぞくにん)
亡くなった方、遺産を遺した方のことです。
相続人(そうぞくにん)
被相続人の財産を引き継ぐ権利のある人のことです。法律でその範囲と順位が定められています。
代襲相続人(だいしゅうそうぞくにん)
本来、相続人となるはずの子や兄弟姉妹が、被相続人より先に亡くなっていた場合などに、その人に代わって相続人となる子供や孫のことです。
受遺者(じゅいしゃ)
遺言によって、相続人ではない第三者(友人、お世話になった人、団体など)として、財産を譲り受けた人のことです。
遺言執行者(ゆいごんしっこうしゃ)
遺言書の内容(預金の解約や不動産の名義変更など)を実現するために、必要な手続きを行う権限を与えられた人のことです。
財産に関する用語
相続財産(そうぞくざいさん)
被相続人が遺した財産の総称です。不動産や預貯金といったプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も全て含まれます。
みなし相続財産(みなしそうぞくざいさん)
法律上は相続財産ではないものの、相続税の計算上、相続財産と「みなして」課税対象とされる財産のことです。生命保険金や死亡退職金がこれにあたります。
祭祀財産(さいしざいさん)
お墓や仏壇、系図など、ご先祖様を祀るための財産です。これらは遺産分割の対象とはならず、祭祀を主宰すべき一人の承継者が引き継ぎます。
分け方に関する用語
遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)
相続人全員で、誰がどの財産を、どのくらいの割合で相続するのかを話し合うことです。この合意内容をまとめた書面が「遺産分割協議書」です。
現物分割(げんぶつぶんかつ)
財産をそのままの形で分ける方法です。「土地は長男に、預金は次男に」というように分けます。
代償分割(だいしょうぶんかつ)
相続人の一人が不動産など高額な財産を相続する代わりに、他の相続人に対して、その価値に見合う現金(代償金)を支払う方法です。
換価分割(かんかぶんかつ)
不動産などを売却して現金に換え、その現金を相続人同士で分配する方法です。
主な権利に関する用語
法定相続分(ほうていそうぞくぶん)
遺言がない場合に、法律で定められた各相続人の遺産の取り分の割合のことです。
遺留分(いりゅうぶん)
遺言で遺産をもらえない兄弟姉妹以外の法定相続人に保障された、最低限の遺産の取り分のことです。遺言によっても、この権利を完全に奪うことはできません。
特別受益(とくべつじゅえき)
特定の相続人が、被相続人から生前に受けた多額の贈与(住宅資金や開業資金など)のことです。遺産の前渡しとみなされ、遺産分割の際に考慮されます。
寄与分(きよぶん)
被相続人の財産の維持・増加に特別な貢献(介護や事業の手伝いなど)をした相続人が、その貢献度に応じて、法定相続分に上乗せして主張できる財産のことです。
主な手続きに関する用語
相続放棄(そうぞくほうき)
プラスの財産もマイナスの財産も一切相続しない旨を、家庭裁判所に申し述べる手続きです。相続開始を知った時から3ヶ月以内に行う必要があります。
遺産分割調停(いさんぶんかつちょうてい)
相続人間の話し合いがまとまらない場合に、家庭裁判所で、調停委員を交えて話し合いを行う手続きです。
虎ノ門法律経済事務所 横須賀支店の強み
- ①1972年創立、所属弁護士数約100名の実績と経験
1972年の創立以来、半世紀にわたり数多くの相続案件を手掛けてまいりました。約100名の弁護士が所属しており、それぞれの事案で蓄積された豊富な判例知識と実務経験を基に、最適な解決策をご提案します。 - ②税理士・司法書士有資格の弁護士が対応
相続問題、特に不動産や多額の財産が関わるケースでは、税務の視点が欠かせません。当事務所横須賀支店には、税理士・司法書士有資格の弁護士が在籍しています。法務と税務、登記の全方面から多角的なアドバイスをして最善の解決を目指します。 - ③グループ内で連携したワンストップサービス
当事務所は、司法書士、税理士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、不動産仲介業者がグループ内に存在するため、各専門家と緊密に連携し、あらゆる手続きをワンストップでサポートすることが可能です。
相続にお困りの方は虎ノ門法律経済事務所にご相談ください。
相続手続きは、これらの専門用語が複雑に絡み合って進んでいきます。言葉の意味を一つひとつ正しく理解することが、ご自身の権利を守り、円満な解決に至るための第一歩です。もし、ご自身の状況で分からない言葉や、手続きの進め方に不安があれば、いつでも私たち専門家にお尋ねください。
>>無料相談の流れはこちら本記事は、令和7年8月13日時点の法令等に基づき作成しております。法改正などにより、最新の情報と異なる場合がございます。具体的な事案については必ず弁護士にご相談ください。

広島大学(夜間主)で、昼に仕事をして学費と生活費を稼ぎつつ、大学在学中に司法書士試験に合格。相続事件では、弁護士・税理士・司法書士の各専門分野における知識に基づいて、多角的な視点から依頼者の最善となるような解決を目指すことを信念としています。
広島大学法科大学院卒業
平成21年 司法書士試験合格
令和3年4月 横須賀支部後見等対策委員会委員
令和5年2月 葉山町固定資産評価審査委員会委員
令和6年10月 三浦市情報公開審査会委員
令和6年10月 三浦市個人情報保護審査会委員
令和7年1月 神奈川県弁護士会横須賀支部役員幹事
令和7年3月 神奈川県弁護士会常議員